香りの器 高砂コレクション展
汐留のパナソニック美術館で催されている、「香りの器 高砂コレクション展」に行ってきました。
香料や香水の歴史とか、製法について
少し勉強していたので
ミーハー心が刺激されて大興奮!
ローマ時代やギリシャ時代から始まって、
20世紀に至るまでの世界各地で「香りがおさめられていた器」を
一通り見終わって
私の一番印象に残っていたのは
古代ローマ時代(1-3世紀ごろ)の香油瓶。
撮影禁止エリアのものなので写真がないのだけど、
(高砂香料さんのサイト内に今回の展示のコレクションが見られるページが!こちらに引用させていただきます
)
この時代の香油瓶に惹かれた理由は2つ:
1つは「銀化」という作用が起こっている点。
光の反射に合わせて色を変えながら玉虫色に輝いてた。
その輝きも、ゴージャスというよりは、どっしり時間をかけて獲得された深みや重みを感じる、何とも言い難い輝き。
説明文より:「この銀化という作用は2000年の時を経て見られるガラス表面の科学変化で、制作時には見られないもの」とのこと。
こんなことをきいたら、胸がドキドキせずにはいられない!
人間が意図的に出そうとしたものではないもの。
作った人たちが知らないところで、この物体は誰も予想しなかった輝きを放っている
その輝きが変遷していくのを
何世代もの人間が目にしている
なんてロマン💗
2つめは、その高度な技術。
糸状にしたガラスのヒモを、ガラスの瓶本体に巻きつけて装飾していたのだけど、ガラスの熱が冷めないうちに美しく巻き付けるのは、相当な技術。実物を見たらわかるけれど、この装飾がものすごく繊細で。
当時の職人さんの手元を想像したりしてしまうよね。
そこから展示は一気に19世紀ごろのコレクションに。
イタリア、フランス、イギリスの作品がおもに並べられていて、とても美しい。
と、その中に我らが日本の作品が!
桐鳳凰文鎖付き香水瓶というもの。
とても小さな香水瓶(親指の爪くらい?)に、細かーーーい彫刻が…。
超絶技法だと書いてあったけど、納得。
日本人であること、誇らしく思ってしまった💛
日本の香道のコーナーもあって、そこで
「伽羅枕」というのが紹介されていた。
これは、寝ている間に髪に香を焚きしめるためのもの、だそうな。
実は、アラブの人はお香を焚いて体や髪にその香りを焚きこめる、、、というのを聞いてから必死にそれを真似て髪に焚いた香りをつけたりしていたんだけど、
しっかり自分の文化の中にもあるものだった。
なんだか嬉しい。笑
あとは…
職業柄か、作品のタイトルの原作‐日本語名に
目が行きがちなのですが
今回目に留まったのはこれ!
写真OKのコーナーだったので写真もあります↓
Sans Adieuを「では、またそのうちに」と訳す…
粋。
「月が綺麗ですね」に通じるものを感じてしまいました。
美しい世界です。
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書きたいことはいろいろあるけれど、
こういう展示を見ると
世界のことも日本のことも好きになれるから
好き。