fioriprofumati’s diary

30手前で脱サラ、イタリアに留学。踊ったり音楽を聴いたり、いい匂いをかいだり美術館に行くのが好き。

ビニール傘

なんかちょっと誰かと話したいな〜

 

最近英語使ってないし

 

ひさしぶりに英会話カフェでもいくか!

 

と思い立った土曜日の寝起き。

 

既に昼はすぎている。

 

シャワーを浴びるも、髪の毛の調子が悪い。

 

おもむろにヨガマットをしいて

 

ごろごろ。ごーろごろ。

 

スマホタイム。

 

のそのそ着替えてメイクをする。

 

とたんにお出かけしたいモード。

 

ちょっとウキウキして扉を開ける。

 

ムワッとした空気に包まれる。そうか、もう7月か。

 

下○井戸駅の待合室は、気温が30度を超えると空調が入る。

 

汗をかきながら駅に入ると、空調中の待合室が目に入る。暑いんだな、と改めて感じる。

 

とことこ電車に揺られて、目的地の駅へ。

 

1、2時間仕事をして英会話カフェへ行く。

 

ドアの前にあふれ出てくる楽しそうな声にしり込みする。

 

今日は人と交流するまでのエネルギーやっぱりないかも。。と踵を返す。

 

ふがいなさを感じつつ、しゃべらなくていい別のお店で少しだけ時間をつぶして外へ出た瞬間、ぽつぽつ、、、ピカッ!ザーーーー。

 

5分の距離にある駅にすら行けないほどの大雨。

 

コンビニが目の前にあったので、思わず駆け込んで傘売り場へ向かう。

 

と同時に、脳裏によぎるのは我が家に所狭しとならぶビニール傘たちの様子。

 

もはやスコールのような降り方の雨。

スコールなのだとすれば、ある程度の時間で落ち着くはず。

 

結局何も買わずにコンビニを出て、コンビニが入っていたビルの軒先で雨宿りさせてもらうことに。

同じような考えの人たち数人と、一定の距離を保ちながら、どれくらいでやむかなぁお腹すいたなぁ、蒸し暑いなぁ、とぼーっとする。

 

傘をさしたおじさんが外から帰ってきた。

おじさんが通れるように、気持ちばかり道をあける。

 

このビルは商業施設(ぱっと見居酒屋さん風ばかり)しか入ってないようだし、いまは緊急事態宣言中の21時。ビルの入り口自体暗い。つまり、営業はしていない。仕込みや事務作業かな、大変だなぁと勝手に妄想してから視線を外し、全く別のことを考えようとしたとき。

 

一度通り過ぎたおじさんが戻ってきた。私に話しかけているらしい。イヤホンを外す。

「おじさんもう傘使わないから。これ使って。」

さっき見た後ろすがたからは想像できなかった、優しい満面の笑み。

 

お礼を伝えて、ありがたく傘を受け取って、帰りの途へ。

お腹がすいていたし、仕事がまだ残っていたから本当にありがたい。

それ以上に、人の優しさってこんなに温かいんだなと感じさせてもらえたこと。

 

下高〇戸に着いたら、雨はもう止んでいた。

それでも私は手の中のビニール傘をまるで宝物のように握りしめていた。

いつもと違う色に見えた、帰り道。