初めての15ユーロ
なんだかんだイタリアにきて2ヶ月が経とうとしている。
この間に縁あって日本語の先生のバイトをすることになった。
そしてきょう始めて仕事として授業に参加して、対価として15ユーロもらった。
先生といっても、教える相手が初心者のため文法等の説明はイタリア語が堪能でありかつ日本語の文法にも精通している必要があり、そのどちらの知識も持ち合わせていない私の役目はというと、レッスン中うろうろと回ってひらがなを直したり、発音を直したり、習った動詞や言葉の範囲でディクテーションをしたり、その程度だ。
そもそもなぜこの仕事をすることになったかといえば、ローマに長く住む日本人の友人にきた、着物をきてポーズをとる仕事の話が私に回ってきて、結局その仕事は着物持参が条件だったので受けられなかったけれど、仲介してくれたパオラさんとやりとりするうちに、日本語の先生を探しているという話を持ちかけられたのが始まり。
経験はないけど興味があれば見学に来てといわれ、見学に行ったその日にひらがな直してだの発音なおしてだの言われ、言われるままに動き、授業は進み、ああこれは私では務まらないと途中から断りの文句を考えていたところで授業がおわり、わたしにはできないと、ストレートに断った。
しかし、パオラさんは気にする風でもなく、文法の説明は私や他の先生がするから、ひらがなや発音指導のためにいてほしいし、途中で電話やトイレにいくのにもう1人先生がいてくれたら助かる、と。
そういうことなら、私もいい経験になるしお金はいらないのでやらせてくださいと言ったところ、それでもあなたの時間を使うことになるのだから、2時間で15ユーロで決定させてくれと言ってくれた。
それで、今日が仕事として初めての日。
事前に詳しい打ち合わせもなかったので、(笑)見学の時にやった内容を参考にディクテーションとか会話の、練習を作って持って行ってみた。結局使わなかったけど、最後にみせたらパオラさんはとても喜んでくれて次の授業で使うことになった。
そして、もらった15ユーロ。
日本円にしてたぶん1800円くらい。
日本にいた時フルタイムで何年もバリバリ働いていたし、お金を稼ぐのは初めての経験ではない。なのに、この15ユーロがとても感慨深くて、帰り道でお昼ご飯食べようと思ったけどお金を使う気分になれなかった。
お金を稼ぐこと、またその機会に恵まれること。ありがたいなってしみじみと感じた。